症状
物をつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
原因と病態
加齢に伴う肘の腱の劣化で生じます。病態や原因については十分にはわかっていませんが、肘の外側の骨の近くで炎症が起きて痛みが生じると考えられています。
テニスのラケットを振る際によく使う部位で中高年のテニス愛好家がこの病気に罹る事が多かったため、通称テニス肘と呼ばれるようになりました。
テニスだけでなく、バドミントンや卓球、ゴルフや剣道等が原因となることもあります。
診断
外来で簡単に行える疼痛を誘発する試験で診断します。
以下の3つの検査が一般に用いられています。
Thomsenテスト
検者は手首(手関節)を曲げるようにして、患者さんには肘を伸ばしたまま検者の力に抵抗して手首(手関節)を伸ばしてもらう。
Chairテスト
患者さんに肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げてもらう。
中指伸展テスト
検者が中指を上から押さえるのに抵抗して、患者さんに肘を伸ばしたまま中指を伸ばしてもらう。
いずれの検査でも肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、テニス肘と診断します。
治療
まずは保存療法を行います。
手首や指のストレッチをこまめに行います。
スポーツや手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。
肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。
テニス肘用のバンドを装着します。
保存療法が無効な場合には、手術療法を行うこともあります。